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あまえねこ(リクエスト)



 ボリス×アリス
 ダイヤの国のアリス設定
 キッカ 様リクエストのボリアリ小説です。
 リクエストありがとうございました!





 カリカリとペンの走る音だけが聞こえる執務室。
 そこにいるのは、珍しくやる気になって書類を片付けているナイトメアと、その見張り役兼手伝いのアリス。
 そんな、本当に珍しく真面目な空間を邪魔したのは、

「ねえ~アリス!」

 アリスを背後から抱き締めている一匹の猫だった。

「もう、ボリス! 邪魔するなら向こうに行ってて!」

 ナイトメアが書類と格闘している間は邪魔をしてはいけないと、ボリスを徹底的に無視していたアリスだったが、さすがに我慢出来なくなっていた。

「え~俺はあんたと一緒にいたいんだよ~。最近俺の事構ってくれないだろ?」
「……仕事中以外はずっと一緒にいると思うんだけど?」
「それは、他の猫達も一緒だろ?」

 ボリスの部屋にいる大勢の猫達。部屋の主と違って、普通の猫達の世話をするのがアリスの日課となっている。
 ご飯をあげて、毛の長い子にはブラシをかけてあげたり、爪切りをしたり、遊んであげたり。
 仕事以外の時間の殆どをボリスの部屋で過ごしているが、それは彼と会う為では猫達の為。
 最初はボリスもそれで良いと思っていた。
 そもそも二人はちゃんとした恋人同士ではない。それに近しい関係だけどお互いにはっきりと気持ちを伝えてはいない。
 そういう、微妙な雰囲気を楽しんでいた。無邪気に猫達と遊んでいるアリスが可愛くて、これを見られるのは自分だけなのだという優越感に浸っていた。
 けれど――

「あんたは俺の相手は全然、全く、これっぽっちもしてくれないだろ!?」

 段々と不満が溜まっていった。アリスが見ているのは自分でなくて、沢山の猫達だけ。
 自分は此処にいなくても彼女は気にしないのでは無いかと……。

「相手って……ボリスは一人でなんでも出来るでしょう?」
「でも相手して欲しいの、構ってほしいんだよ! そりゃあ俺はあいつらと違って、誰かが食事を用意しなくても勝手に食べられるし、身の回りの事も出来るけどさ……あんたに構ってほしいの」
「っ!?」

 背後からするりと顎を撫でられる。まるでこちらが猫になったような気がしてくる。

「ねえ……あんたは猫のお母さんだろ? だったら、子供は平等に構ってくれないと……拗ねて悪戯しちゃうよ?」

 クスクスと耳元で囁くその声のどこが『子供』なんだろうか、と言いたいのにアリスの躰は全く動いてくれない。

「お前達……!!」

 この空気を崩したのは、今まで大人しく黙っていたこの部屋の主だった。

「あれ? 夢魔さんいたの?」
「最初からいたぞ! むしろお前達二人が部屋に入ってくる前から私はいたぞ!!」
「そうだっけ?」

 精一杯に睨みつけるナイトメアの視線をあっさりと無視して、ボリスはゴロゴロとアリスに擦り寄る。

「ちょっと! は、離れなさい! ボリス!!」

 アリスの方は漸く、此処が執務室でナイトメアの目の前だったと思い出し、慌てて自分にべったりと張り付くボリスを離そうとするが彼はびくとも動かない。
 それどころか、更にギューギューとしがみ付いてくる始末だ。

「~~~!! そこのバカップルども!! いちゃつくなら他所でやれ、他所で!!」
「は、はい!! ちょっと来なさい!!」

 ビシッとドアを指差され、アリスはこのタイミングしか無いとボリスを剥がしてその腕を引っ張って部屋を出て行く。

「ボ~リ~ス!!」

 まだ仕事の途中という事もあり、部屋を出てすぐの廊下でボリスを問い詰める。

「なぁに? アリス」

 明らかに怒っているアリスに対して、ボリスはやっと二人きりになれた事が嬉しいようでニコニコと笑顔。
 それにはアリスも溜め息しかでない。

「はあ……もうちょっとしたら休憩時間になるから。それまで部屋で待ってて」
「遊んでくれるの?」
「そうよ」
「それって、他の奴らと一緒に?」
「……買い物に行きたいの」
「え?」
「だから、一緒に出掛けてくれると助かるんだけど……」

 それは遠まわしな誘い。ただの荷物持ちなら、アリスはこんな反応を示さない。
 自分に表情が見えないようにそっぽを向いて……でもそのせいでこちらにはっきりと見える彼女の耳はほんのりと赤くなっている。

「うん!! 俺、大人しく待ってるねアリス」
「ひゃっ!?」

 そんなアリスの態度が嬉しくて、ボリスはまた彼女に抱きつきその赤くなった耳にチュッと音を立てながらキスをした。

「ボ、ボリス!!」
「早く、仕事終わらせて来てね」

 耳を押さえながらボリスを睨みつけるアリスの表情は、ますます赤くなる。
 そしてそのまま部屋に戻ってしまった。

(可愛いな~)

 本当はもっと触りたいし、独り占めしたい。他の奴らと共有なんてしたくない。

(だけど、まぁもう少しだけ……)

 もう少しだけならこのままでもいいか。
 たった一人の『獲物』を想像しながらパタパタと尻尾を揺らして、ボリスは部屋へ戻っていった。

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Author:水青 奏
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・乙女ゲー
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