FC2ブログ
0312345678910111213141516171819202122232425262728293005

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

即席バースデー/甘い贈り物



 グレイ×アリス
 スパコミで配布してたアリス誕生日おめでとうペーパーです。
 即席バースデーは、ジョーカー設定
 甘い贈り物は、箱アリの学パロ設定です。


 


即席バースデー

「ここの辺りだと桜は見られないのね」

 グレイと来た三度目の春の景色は一面の薄いピンクでは無く、鮮やかな緑だった。

「あれは春の始めだろうからな、この一帯はそれよりも少し時間が経った頃なんだよ」

 もう一度城に行こうと言ったのはグレイだった。
 アリスはそれに笑顔で答え、ジョーカーとの勝負に一回で勝ち、春の季節にして貰った。

(戻しに行く時に絶対にからかわれるわよね)

 ろくに会話もせずに季節変更を急がしてしまった時に仮面の方のジョーカーがぶつぶつと文句を言っていたのを思い出す。

「どうかしたのか、アリス」
「ううん何でもないのよ……ところで何処に行くつもりなの?」

 何かお薦めの場所でもあるのかと思ったが、グレイが立ち止まったそこにはそれらしいものは見えない。
 というか、何も無いのだ。ただ寝転がったら気持ちが良さそうな草原があるだけ。

「いや、何処というわけではないんだ。ただ、桜が見えない場所に来たかったんだよ」
「どういう意味?」
「君が生まれた日は、こういう風景が見られるものだと聞いてな。だから二人きりで来たかったんだ」
「あ、ありがとう……」

 こんな事しか出来ないがな……と少しだけ悲しげに微笑むグレイ。

「嬉しいわ。この世界に来てから誕生日なんて忘れていたから。だから、本当に嬉しいの」
「そうだな、生まれた日を祝うという習慣は無いが。それでも、君のだけは特別だ。君が生まれてこなければ、今こうして一緒にいられないんだ――だから、俺の方こそありがとう」

 思ってもいなかった言葉に、アリスの頬は赤くなる。
 それを見られたくなくて下を向いていると、その視界に映る自分の右手に、グレイの手が触れる。

「もう少し歩こうか、それとも移動してケーキでも食べるか?」
「今は、歩きたいわ。」

 その後でケーキも食べたい、と素直に言えばグレイは笑って答えてくれる。

「ああ、他にも何か欲しいものがあったら言ってくれ」
 いつもなら躊躇ってしまう彼の甘やかす言葉にも、今なら素直になれそうだった。


甘い贈り物

「甘い香りがするな」

 放課後、二人きりの保健室のソファーでアリスと並び座っていたグレイは、彼女からいつもとは違う香りがする事に気付いた。

「ああ、これイチゴの香りなの」

 ニコリと答えるアリス。だが、グレイの中でアリスという存在とイチゴというのはどこか当てはまらない。
 グレイから見れば大変可愛らしい恋人だが、当の本人は可愛いと言われるとそのたびに照れて否定をするし、可愛い物というのが苦手な部分があるからだ。

「これね、友達から誕生日プレゼントで貰ったシャンプーの香りなのよ」

 せっかくだから昨夜使ってみたの。とあっさりと答えるアリスに、グレイは衝撃を受ける。

「誕生日、だったのか?」
「ええ……えっと昨日ね」
「ど、どうして言ってくれなかったんだ」

 少し詰め寄るように言うと、アリスは口を噤んでしまう。それでもグレイの視線には耐え切れなかった。

「昨日までグレイは忙しそうだったから……わ、私もね皆に教えた記憶は無いんだけど、気が付いたら色んな子からプレゼント貰って、吃驚したのよ」

 確かにグレイは、主にナイトメアが溜め込んだ仕事のせいでここ一週間は忙しかった。それはアリスも理解していて、それが片付くまでは邪魔はしない、とろくに会えなかった。今が一週間振りの逢瀬なのだ。

「それでも、恋人の誕生日を祝えなかったのは悔しいな――今からでも、構わないか?」
「いまからって?」
「出掛ける事は出来ないが、して欲しい事があったら言ってくれ」
「ええ!?」
「さあ、何でも言ってくれ」

 ニコニコと笑ってアリスの言葉を待っているグレイ。
 しかしそれは甘え下手のアリスにとっては受け取るのには難易度の高いプレゼントだ。
 それでも、一週間振りの二人きりの時間に、少しだけ大胆にもなる。

「じゃあ……もう少し一緒にいてくれる?」

 きゅっとグレイのスーツの袖口を掴みながら言ったのは、アリスにしてみれば精一杯のオネダリ。

「それだとプレゼントにならないだろう」

 そんな些細な事を言うだけでも頬を赤らめる恋人を愛おしいと思いつつ、グレイは二人の間の距離を詰める。
 彼女からの甘い香りが自分にも移るくらいに。
 そして、可愛らしいお願いをした口唇にそっと口付けを落とした。

コメントの投稿

secret

top↑

comment

プロフィール

水青 奏

Author:水青 奏
好きなもの
・SOPHIA
・SoundHorizon
・乙女ゲー
・文字書き

初めましての方はまず
『始めに』をご覧ください。

最新記事

カレンダー

03 | 2019/04 | 05
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -

月別アーカイブ

カテゴリ

最新コメント

twitter

FC2カウンター

リンク

ブログパーツ&バナー

検索フォーム

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。