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溺れ落ちてる恋人たち



 クローバーの国設定
 グレイ×アリス
 ロゼプチ企画で配布してたペーパーです。




「グレイもやっぱり背が高いのね、こうやって並ぶと見上げないといけないわ」

 そんな話題を口にしたのは今ので二度目だ。
 一度目は、まだグレイと出会ったばかりの頃。書類制作について聞きたいことがあった時のことだ。

『ああ、すまなかった。ではこちらに座って説明しよう。その方が君もメモを取りやすいだろう?』

 それであの時は終わった会話だった。

(それなのに、どうして今はこんなことになっているのよ!!)

「こうやって抱き上げてしまえば同じ目線になるだろう? いや君の方が少し上だな」
「こ、こういうことをされたくて言ったんじゃないのよ!?」
「解っているよ。ただ、君にこういう事が出来るのは俺だけだろうと確認したかったんだ」
「あ、当たり前でしょう。というか、あまりされたくないわ、恥ずかしい」

(いくら話題に困ったからってどうして同じ話を振ったかしら私は……!!)

 しかも此処は塔内の廊下なのだ。すぐ近くには職員達が使う休憩室もある。
 こんなところを誰かに見られたらと思うと気が気では無い。

「あ、あのね。自分から話を振っておいてなんだけど、座れば目線は近くなるから、別に気にする事じゃなかったわ。だ、だからもう下ろして欲しいんだけど」
「何か話があるのか?それならこのまま部屋へ運ぼうか?」
「グ、グレイ!!」
「駄目か?」
「だ、駄目じゃな――は!? 駄目よ!恥ずかしいもの」
「もう少しで押しきれたな?」
「グレイ!もうからかうのはやめてよ」
「ああそうだな。君が怒るのを見たいわけではないし、嫌われてしまっては大変だ」
「……き、嫌うことなんてありえないわ」
「…………アリス、君は可愛いな」
「えっ!? ど、どういう流れでそうなるのよ!?」
「流れも何も俺は常に君が可愛いと思っているよ……ところでアリス、一つ聞きたいことがあるんだが」
「な、なに?」

 漸く地面に足がついてホッと安堵したアリスだったが、

「君は以前も今も、誰と俺を比べていたんだ?」
「え……!?」
「俺も背が高い、そう言っただろう?」

 じわじわと壁際へと追いつけられていく。

(なんだろう……こういうのって目が笑ってないって言うのよね?)

「アリス? こうやって君と向かい合えるような男が他にもいたのか?」
「ち、違う……!!」

 これで他の役持ち達のことだと、友人のことだと言っても彼は信じてくれるだろうか?

(ああ、でも……これが嬉しいと思うなんて駄目よね……)

 たったこれだけのことで嫉妬するグレイと、それを嬉しいと思ってしまうアリス。
 お互いがお互いに溺れている恋人同士だった。

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