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ラヴコレ参加の時のグレアリSS



 クローバーの国設定
 グレイ×アリス
 タイトルどおり、2017年に参加したラヴコレで配布してたSSです。
 少し書き直してる部分もあります。


  
「あの時と似ているな……」

 いつの間にか隣で座っていたアリスが眠っていてまず思い出したのはまだ出会って間もない、まだ二人の関係性が同僚であった頃のことだ。


 少しずつアリスにも出来る仕事が増え、その時もまた一つ新しい作業を教わっている最中だった。
 とはいえ今は休憩時間中ということもあって少しばかり気が緩み、先ほどから欠伸を堪えている仕草が見えた。

「アリス、そろそろ休んだほうがいいんじゃないのか?」

 そう声をかけてはみたが、グレイには彼女の返事は予想が出来ていた。
「だ、大丈夫よ! ごめんなさい、せっかくの休憩中なのに邪魔をして、しかもこんな態度なんて」

 グレイの想像どおりの謝罪を返すと、アリスは眠気を覚ますためにコーヒーを淹れに席を離れようとした、が。

「アリス、待ちなさい」

 そんな彼女の腕をつかみ、再びソファーに座らせる。

「な、何!?」

 予測できていなかっただろう行動に焦り、もしかしたら眠気も飛んでいるかもしれないが、これはそういう目的でしたのではないのでその可能性は考えないようにする。

「今の君に必要なのは、眠気覚ましではなく素直に眠ることだよ。少し目を瞑りなさい」
「え……えっと、ここで?」
「ああ、それなら熟睡することもないだろう」
「で、でも、ここ休憩室だし……」
「休憩室ならば、休んでいても問題はない。むしろここにいてまで仕事をしている方がおかしいと、部下に言われたことがあるな」
「そうね……休む為の部屋よね、ここは」
「ああ、というわけで少し休みなさい」

 そう言いながら軽く掴んだままだった腕を引きよせる。

「え、え!?」
「俺に寄りかかっているといい。そうすれば少しは眠りやすいだろう?」
「そ、その間、グレイはどうしているの?」
「俺はこのままだよ。君が少しでも眠りやすいようになるべく動かないでいよう」
「そ、それって…………」

 おそらくはこの体勢ではグレイに迷惑がかかると言いたいのだろうが、それを遮るようにグレイはこう囁く。

「おやすみ、アリス」

 よほど眠かったのか、寄りかかったとたんにアリスの瞼が重くなったように見える。
 おやすみなさい、と返す間もなく眠ってしまったようだ。
 こういう時、あの上司ならば彼女を問答無用で休ませることができるのだろう、と少しだけ悔しくなる。

「少しでも、君を助けられるといいんだが……」

 慣れない土地と環境に戸惑い、それでもそんな様子を見せないようにと精一杯強がっている少女を少しでも癒すことが出来れば良い。
 そう願いつつ、アリスの寝顔を見守るグレイだった。


 結局あの後はすぐに目を覚ましたアリスに謝られ、癒すどころか逆効果だったなと苦笑したのを覚えている。

「今は何も言わずとも休んでくれるのを喜ぶべきか……困るところだな」

 今いるのは休憩室ではないし、あの頃のようなただの同僚ではない。恋人と呼ぶ関係なのだが。

「まあ、今は信頼して貰えていることを喜んでおこうか……」

 そうして以前では見ることが出来なかった穏やかな表情で眠るアリスを愛おしそうに見つめた。


「ん…………」

 目を瞑ってしまったのはほんの一瞬だけのつもりだった。
 隣に大好きな人がいるのが心地よくて、安心出来て、ついつい眠ってしまった。
 でも起きなくては……そう自分に言い聞かせてまだ重い瞼をゆっくりと開ける、とまず視界に飛び込んできたのは見慣れた彼の部屋の内装ではなかった。

「あれ……?? っ!?」

 その視界にあるのがグレイの着ているコートなのだと、そして今の自分の状況を把握したとたんに、眠気は綺麗にとんでいった。

(な!? なんで??)

 よく考えれば、グレイの肩に寄りかかって寝てしまった時点でアリスにとっては相当に冒険をした行動だった。
 それなのに目を覚ました時にはグレイの腕の中にいるなんて、これはまだ夢だと言われた方がまだ信じられる状況だ。

(夢?? 私、まだ寝てるの??)

 とはいえ、こんな鮮明な夢など見られるわけがないとすぐに冷静になる。

(どうしてこうなったのかは解らないけれど……グレイの寝顔って初めて見たわ……)

 こうやってジッと見ていても起きる気配は無い。
 彼の性格、そして職業を考えるとこうやって熟睡してくれていることも嬉しく思ってしまう。

(時間としては、まだ起きなくても平気……なのよね? それなら――)

 心の中で、えいっと小さく気合いを入れて目が覚めた時は同じ状況に戻してみる。
 そしてそんなアリスに答えるかのように、背中に回されていた腕が少しだけ緩められ、右手がアリスの頭に触れ優しく撫でる。

(寝ているのよね??)

 きっとグレイが目を覚ましたら自分は照れて必死に言い訳をしてしまうんだろう。
 それでも少しの間だけでもいいから素直に甘えてみたくなったアリスだった。


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