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ORANGE&CAT



 ボリス×アリス
 おもちゃ箱の国のアリス(パロディver.)設定
 フォロワーさんからのリクエスト(ボリアリ・嫉妬ネタ)
 ホワイトデーネタですが、バレンタインSSとの繋がりはありません





「はい、アリス。バレンタインのお返し」
「わざわざありがとう~」

 シンフォニアの放課後、アリスの机の上は沢山のお菓子の入った袋で埋め尽くされていた。
 その全てが今の様に男子からのプレゼントで、バレンタインデーのお返し…今日は3/14のホワイトデーだ。
 仲の良いクラスメートの女の子と三人で男子たちに手作りのチョコを用意して配って回ったのはまだ記憶に新しい。
 その一緒だった子達が揃って休んでしまった為、プレゼント受け取り係となったアリスは、この三人分の荷物をどうやって持ち帰ろうと悩んでいた。
 念の為に紙袋は持ってきていたが、それに入りきるのか心配になるくらいの量が目の前にある。

「あれ?アリスまだ残ってたの~」
「ボリスこそ」

 最後の授業が別だったので、もう寮に帰るまで会わないだろう思っていたボリスが、廊下の窓から顔を覗かせる。
 その視線がアリスから、テーブルに移ったのが解る。

「それ何?」
「貰ったのよ」
「誰から?」
「えっと~…」

 アリスの口からクラスメートの名前が次々と出てくる。
 それを聞きながらボリスは教室の中へ…アリスの隣の席に座る。
 ボリスとの距離が近くなったアリスは彼から何か甘い香りがする事に気付いたが、貰った男子の名前を言うのに気を取られてそれを聞くタイミングを逃してしまった。

「後はね…」
「ちょっと待ってそんなにいるわけ?っていうかこれなんで貰ってるの?」
「え?バレンタインのお返しで………」

 バレンタインという単語がアリスから発せられた瞬間、ボリスの目が険しくなった。

「なにそれ!?俺聞いてないよ?」
「な、何を?」
「あんたが俺以外にもチョコを渡してたなんて聞いてない」

 そりゃあ言ってないもの…と心の中で呟く。
 ボリスにばれたら大変な事になりそうだから…友人たちに誘われた時も最初は断ったのだが『これは合同であげるんだから大丈夫よ』と説得され、参加したのだ。

「バレンタインの時、俺にしか渡してないとか言ってなかった?」
「そ、それは私が一人で用意したものよ…これは皆で準備した分のお返しなの!だからこんなに数が多いのよ」
「…でも、その中にはあんた用のもあるんだろ?」
「そりゃあね…ってちょっと何を勝手に開けてるのよ!」
「いいじゃんか~これって他の子の分だったの?」
「違うけど…」

 ボリスが手に取ったのは偶然にもアリスの分として渡されていたもの。
 男子から貰ったのは均等に同じものが入っているお菓子の詰め合わせを三つずつ。
 女子は手作り、男子は一人でお菓子を買って用意する…のが決まり事らしい。
 これも生徒達が企画した行事の一つだとバレンタインの準備をしている時に教えて貰った。

「ふ~ん…クッキーだね?」
「そこのクッキーて美味しいらしいのよね。ふふこれだと暫くおやつには困らないわね」

 純粋に嬉しそうなアリスを見て、ボリスの機嫌は益々下がっていく。
 次に彼が取ったのは透明な袋でラッピングされているもの…これもアリスの用のお返しで、中身はクッキー。
 その後も、包装を解かなくても中身が確認できるものを次々と見ていくボリス。

「クッキーが多いね」
「本当ね。やっぱりお菓子といえばクッキーなのかしら?…これはキャンディーだわ、容器も可愛い。後で小物入れにしても良いわよね?」

 アリスが手に取ったのは手のひらサイズのキャンディーボックス。
 それ自体がリボンの付いた箱のデザインになっているからか、蓋と容器の境目を一周するようにテープが貼られているだけのシンプルな包装になっている。

「ねえアリス…ホワイトデーのお返しには意味があるって知ってる?」
「意味?ホワイトデーと言えば、マシュマロってイメージだけど…この中には無さそうね」
「うん。無いみたいだね?マシュマロは、ごめんなさいとか嫌いって意味があるんだって」
「え…そうなの?じゃあクッキーは?」
「クッキーは、友達でいましょう?だったかな?」

 隣に座っていたボリスはいつの間にか立ち上がりアリスのすぐ傍まで来ると、ジッと彼女を見つめる。

「それなら…キャンディーにもあるの?」
「うん、あるよ。それはね…」

 そう言いながら身を屈めて、アリスの顎を軽く持ち上げその口唇に自分の口唇を重ねた。
 突然の事に一瞬驚いたアリスだがすぐに目を瞑りそれを受け入れる。でもすぐに離れるかと思っていた口唇は中々離れず、それどころかもっと深いキスになっていく。

「んんっ!?………っ」

 舌と一緒に何かが自分の口の中に入ったのが解る。それと同時に甘い味が広がる。

「ふ…」
「な…なにするのよ…なにこれ?甘い…キャンディー?」

 ボリスから口移しされたのは、オレンジ味のキャンディーだった。
 さっき一瞬だけした甘い香りもきっとこのキャンディーのものだったのだろう。

「キャンディーはね?俺も好きです…って意味だよ」

 甘く囁かれた言葉…でもその瞳は鋭い。

「こ、これをくれた人がその意味を知っているとは限らないでしょ?」
「それでも嫌なものは嫌。そもそもあんたが俺以外の奴にまでチョコをあげてた事自体が嫌なんだから。しかもそれを黙ってるし、嘘まで吐くし…」

 チョコを貰ったのが自分だけだと思ったから、お返しのプレゼントも寮に置いてきてしまってここには無い。
 一番にあげたかったのに…と、尻尾をパシパシと揺らしながらボリスは言った。

「ご、ごめん…皆イベントだと思って楽しみにしてるみたいだったし、それにボリスにも余計な心配させたくなくて…ごめんね?ごめんなさいボリス…」

 持っていたキャンディーボックスを膝の上に置き、空いた右手でボリスの制服の裾をキュッと掴む。

「はあ…いいよ。でも来年からは本当に俺だけにしてくれる?」
「う、うん。や、約束する…」

 そう言いつつも、友達の誘いには乗ってしまいそうな気がするとアリスは心の中で呟く。
 ボリスもそんなアリスの性格…考えが解っているのか、少しだけ呆れたように微笑む。

「うん。まぁ破ったら…またこうするからいいよ…」
「え?…あ…」

 言葉はボリスの口唇によって遮られる。さっきと同じようなキス…アリスの口の中に入ってきた舌がキャンディーに触れているのが解る。
 今度は持ってかれるのだと思ったそれは、アリスの中に残ったままだった。

「こうやって、キャンディーをあげるからいいよ。あんたは俺のものなんだって…教えてあげるから」

 ジッと見つめるボリスの瞳は甘い…オレンジ味のキャンディーと同じくらいに甘い。
 誰に教えるの?という疑問も、ここが放課後の教室だという事も忘れてアリスはジッとその瞳を見つめていた。
 意味を知っている彼からのキャンディーならば、どんな方法でもいいから貰い続けたい…そう思いながら。

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