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あなただけの大型ワンコ



 グレイ×アリス
 フォロワーさんからのリクエスト(グレアリ・年下グレイ)
 アリスが先輩・グレイがその後輩という設定の学パロです。
 ちょっとキャラが迷子です。





 チャイムが鳴ると同時に、教室は一気に賑やかになる。
 早々と弁当箱を取り出す人もいれば、急いで学食へ向かう人もいる。
 何を言っても無駄だと、誰も聞いていないと解っている教師だが一応は出した課題に関しての注意だけを言い、教室を出て行った。

「アリス~早くご飯食べましょう!」
「今日はどこで食べる?アリス」
「うん!今行く!!」

 いつもの二人とお昼を食べる為にアリスが鞄の中からランチバッグを取り出そうとした時、

「アリスさん~お客さん来てるよ!」

 廊下側からそんな声が聞こえた。見上げるとそこには見知った顔がいた。

「グレイ?どうしたの?」

 急いで駆け寄るその動きを友人を含めた数人が見ているがアリスは気付かずに、自分を尋ねにわざわざ上級生の教室まで来た彼のもとに急ぐ。

「ちょっとアリスに用事があって…」
「もう!先輩って呼ばなきゃダメでしょう?」

 自分よりも背の高い、一見すればアリスの方が後輩に見えそうなくらい大人っぽい彼だが…正真正銘アリスの後輩にあたる。
 アリスよりも一歳下の一年生…彼と出逢ったのは去年の一学期初日の事。
 あの当時は、学生服を着ている彼に違和感があったが今ではすっかり見慣れてしまった。

「まぁいいか。どうしたの?」
「日曜日…どこか行きたいと思って」
「………それだけ?電話でも良いのに」
「ああメールでも良かったけど、直接言いたくて…今度の日曜日、空いてないか?」
「空いてるよ!どこか行きたい所あるの?」
「…動物園」
「最近、あそこに犬とか猫とか兎のエリア出来たものね?」
「…べつに、そっちが目的じゃない」

 ぷいっとそっぽを向くグレイ、でもアリスは彼が可愛い動物・小さな動物が好きな事を知っている。
 動物園に新エリアが出来たのはアリスも雑誌を見て知っていた。その時に真っ先に浮かんだのはグレイの顔だった。
 いつか誘えたらいいな…と思っていたところに彼からの誘いだ、この偶然にアリスは嬉しくなる。

「ふふ。待ち合わせどうしようか?」

 自然と声が弾むのが自分でも解る。

「それは、また後で…電話する…それか、帰りに相談とか」
「あ、それ良いね!今日はバイトないからどこかに寄って行こうか?」
「うん…じゃあ俺戻るから。放課後また」
「またね!グレイ!!」

 ニコニコと手を振るアリスに、自分も軽く手を振り返して教室前から離れていく。
 その間にチクチクと感じる視線も、今のグレイにとっては心地よいものでしかない。


        ○●○●○●


「あんた、迷ってるのか?」

 去年の四月。グレイが廊下でキョロキョロと辺りを見回しているアリスに声をかけたのが知り合った切欠だった。
 前日に入学式を終え、グレイを始めとした一年生にとっては今日が授業初日。
 教室移動をしている最中のグレイには、アリスもまた同じ一年生に思えた。
 だからその後姿に声をかけたのだが、振り返った彼女は二年生の印の青いリボンタイを身につけていた。

「え?」

 キョトンとしたその表情で、グレイの勘違いだった事にすぐ気付いたが、そのまま謝って立ち去ることも出来ず数秒ほど見詰め合っていた。

「あ、一年生なんだ…先輩かと思っちゃった」

 ニコっと微笑むその表情に、グレイは思わず自分の名前を名乗っていた。

「グレイ…です」
「私は、アリス=リデル。よろしくね」

 その後はすぐに、アリスが「授業に遅れないようにね?」と言い残してグレイの前を通り過ぎていく。
 彼女の後ろ姿を目で追うとアリスは、同じ青いリボンタイをした女子二人のもとに駆け寄って行っていた。


        ○●○●○●


 二度目に会ったのはそれから数週間後の休日。

「あ!」

 とある店の前で入ろうか立ち去ろうか悩んでいたグレイの後ろを通り過ぎようとしていたアリスが気付き、声をかけてきた。

「どうしたの?…ペットショップ??」

 グレイが立ち止まっていたのはペットショップの前。
 ガラス製のドアの向こうを覗けば、まだ小さく毛がホワホワとした子猫や小犬達の姿が見える。

「…ああ」
「可愛いね!ねぇ一緒に入ってみない?」
「はっ!?」
「行こう、ね?」

 アリスは戸惑っているグレイの手を引き店内に入る。
 店員に言えば、動物に触らせて貰えると知ったアリスは、早速真っ黒な子猫を選んだ。

「ほら!見て見て、可愛いね~」

 その小さな生き物を慣れた手付きで抱えるアリスに、グレイは何も言うことは出来ず。
 ただその一人と一匹の姿を見つめているだけだった。

「猫は苦手だった?」
「いや…違う」

 子犬コーナーに移動する間にあった猫と犬モチーフの小物を見ながら、そうアリスが聞いた。

「ただ小さすぎて…」
「確かに、あんまり小さいとどう触っていいか解らないよね?私の家には子猫の時から飼ってる子がいるから平気だけど…それだったら、猫カフェなら平気かもね?」
「猫カフェ………聞いたことはある」
「今度、行ってみようか?」
「はあ!?俺とか…」
「うん!だって、好きな人同士で行くのが良いでしょ?」

 それが『猫が好き』という意味だと解っていても、一瞬でも違う意味に取ってしまうくらい…この時点でアリスの事が気になっていたのかもしれない。

 それから約束通りに猫カフェに、ペア限定のチケットを貰ってしまったという理由から、水族館や動物園にも行った。
 気付けば校内で会うよりも、約束をして遊びに行く回数の方が多くなり…数ヶ月が経った12月。
 学校行事の一環であるクリスマスパーティーで、見慣れないドレス姿のアリスと、その周りにいる彼女の友人達を見た時に、グレイの中に彼女を独占したいという気持ちが生まれた。
 当然のように連絡を取り、遊びに出掛ける間柄なのに、その瞬間に生まれた距離感に寂しさを感じた。

 そうして、今現在。
 女子でしかも先輩と親しくしている事が知られるのが恥ずかしいという理由から、あまり校内でアリスと会わないようにしていたグレイだったが、とたんに彼女の教室に通うようになった。
 といっても、今までならば電話で済ませていた休日の予定を直接聞きに程度のもの。
 何も知らないアリスは、電話の時と同じく楽しそうに嬉しそうにその誘いに乗ってくれる。
 鈍すぎる彼女は気付いていない…そんな様子を羨ましそうに見つめている視線がある事も、今目の前で無愛想な後輩面をしているグレイの気持ちも。

(本当に、鈍すぎるだろ?)

 鈍いくせに、その言動はいちいち可愛くて、自分は好かれているんじゃないかとグレイを付け上がらせるものばかり。
 アリスにとって見れば、自分を先輩扱いしていない生意気な後輩でしかないんだろう。

『グレイって、大型犬みたいだね』

 それを言われたのはいつだったか…やっぱり動物を見に出掛けた時だったか。

『なんか、ギュッて抱きついても動じないくらいにどっしりした大きな犬ってイメージだなぁ。色は黒ね?真っ黒いの!』
『だったらあんたは、小型犬か?チワワとか』
『さっきチワワの事見て、よく鳴くんだなぁとしか言ってた人に言われても、嬉しくないんだけど!!』

(小さくて、可愛くて、どう接していいのか解らないんだよ)

 あの時アリスが抱き上げていた子猫と同じ…。
 グレイにとってのアリスは、誰よりも好きな人であると同時に、一番接し方に困る存在。
 それでも、いつかのこの気持ちにアリスが気付く日が来るまで、彼女の隣に自分以外の男がやって来ないように仕向ける。
 まるで、チワワをその大きな体躯で守る大型犬の様に。

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