FC2ブログ
0312345678910111213141516171819202122232425262728293005

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ひみつのおちゃかい



 ビバルディ+アリス
 ジョーカーの国のアリス設定
 フォロワーさんからのリクエストです(猫耳アリス)





「さぁ、今度はお前の番だよ?」

 定期的に開かれる、ビバルディとのお茶会。
 塔付近で美味しいと評判の焼き菓子を持参したアリスを待っていたのは、いつもの煌びやかなティーセットと色とりどりの洋服だった。

「これどうしたの?」
「お前の為に用意したに決まっているだろう?」
「この間着たばっかりじゃない!!」
「ふふふ。あの時のドレスはまた違うものを用意させたのだ…もちろん、着てくれるだろう?」

 ちらりと後ろを向けば、この間の着せ替えごっこを手伝っていたメイドさんが二人。そして目の前にはビバルディ…今回も逃げられる訳もなく。アリスはただコクリと頷いた。

(絶対にビバルディが着た方が良いと思うのに…)

 いつも赤を纏う女王様の違う一面も見たいと思うのだが、本人が頑なに拒むしそれを強制する力はアリスにはない。
 そもそも彼女が用意するものは全てアリスのサイズに合わせてあるのだ…色々とした部分がビバルディとは違っているので着れるはずがない。

(この間の猫耳着けられたのも奇跡みたいなものよね)

 あの時のビバルディ可愛かったなぁ…とニコニコとしながら着替えようと服を広げた瞬間にアリスの動きは止まった。
 これがすでに服を脱いでいる状態じゃなければ、きっとビバルディの所に駆け寄っていただろう。

「な、なんなの!? これ!!」

 だけどそれが出来ないアリスは、更衣室代わりに仕切られた場所で叫ぶしか出来なかった。
 そして律儀に着てしまうのが、アリスの良い所だろう。

「ビ、ビバルディ~」

 閉められたカーテンの隙間から顔だけを出し、へなへなと情けない声でビバルディを呼ぶ。

「おお、どうじゃ? サイズは合っていたか?」
「ええ、とってもピッタリ…でもなんでこんな服…」

 最初はいつものキラキラなドレスだと思っていた。
 なのに………今アリスが身に纏っているのはドレスというよりはワンピースに近い。
 全身真っ赤なそのワンピースは、何もしらなければただ「ちょっと短すぎるんじゃない?」といった感想だけで終わりそうだが、アリスには見覚えがあった。

「なんで、サンタクロース風なんて持ってるのよ!!」

 クリスマス時期になると、ケーキ屋を始めとしたお店の女の子がよく着るようなサンタクロース風のワンピース。
 キャミソールタイプで、スカートの裾部分にはふわふわの白いファー。
 それに合わせる為のケープも用意されているが、実際に冬場に着たら絶対に寒いだろうと思う露出具合だ。

「ブーツも用意してあるよ、ほらこれを履いてごらん」

 そっとビバルディ自ら床の上に置いたのは、これもまた赤をメインにした編みこみ式のショートブーツ。真っ白でボンボンが付いたリボンが可愛い。
 ここまできたらもうやけだ!と開き直り、アリスはそのブーツを履く。いつもの靴よりもヒールがあるので目線の高さにちょっとだけ違和感があった。

「おお!似合うではないか」

 満足げにニコニコと笑うビバルディにせがまれてその場でクルリと回ってみる。

「可愛らしいですわ!」
「本当に素敵ですわ」

 そう口々に言うメイドさん達と、笑顔のビバルディを見ているとこういう格好も悪くないと思えてしまう。
 色は派手だし、丈は短いし、春には合わないけれど普通のワンピースと思えなくもない。
 今までのドレスと比べれば楽というくらいまで思っていたが、

「そうじゃアリス、これを忘れていた」

 笑顔のままに猫耳カチューシャ差し出された瞬間にまたアリスは固まる。

「何で? 普通は帽子でしょ?」
「これの方が可愛いではないか。ちゃんと服に合わせて作らせたのじゃ」

 耳部分は真っ白でフワフワ。本物の猫で例えるからペルシャ猫やチンチラだろうか。
 そして右耳には真っ赤なリボンが飾られていた。
 たしかに白と赤…サンタクロースの色と言えるが。

「この前は、わらわにこの耳を付けさせたであろう?だからお前の番だよ」

 その言葉と同時に今まで後ろに控えていたメイド二人がアリスの両腕をしっかりと掴む。

「え!? ちょっと待って!」

 女性の力だから振り払おうと思えば出来るのだがそれよりもビバルディの方が素早かった。

「ふふ。やはりこういうものはお前の方が似合うな」

 満足げに微笑むビバルディ。そして、パァっと瞳を輝かせるメイドさん二人。その真ん中でアリスの表情だけが暗かった。
 ふと横を見れば姿見に映った自分が見える。
 身に付けている本人からすれば明らかに似合っていない…でも自分よりも遥かに美しい人が「可愛い」と言ってくれるせいで、有りなのかもと思ってしまう。

「ほんに可愛いのう。ほら、アリス鳴いてごらん?」
「は!? 鳴く!?」
「この前はわらわに言ったであろう? さあアリス…鳴いてごらん?」

 細く美しい指がアリスの顎をすっと撫でる。見詰め合った女王の瞳は決して逃がさないと言っているようで。
 アリスはその視線から逃げるように目を逸らし、今にも消えそうなほどにか細い声でビバルディの命令に応える。

「にゃ…にゃあ」

 言った瞬間に躰が熱くなる程の恥ずかしさに襲われた。
 今すぐにでもこの場から逃げたかったがビバルディに抱き締められてしまい身動きが取れない。

「可愛いのう、このままお前を飼いたいくらいじゃ」

 ぎゅうぎゅうと抱き締められて、その息苦しさと薔薇の香りにクラクラとする。

「ビ、ビバルディ…苦しい!」
「おお済まなかったな。本当にお前は可愛いね。あんな男ばかりの場所ではなく、わらわの所に来ないか?」
「仕事もあるから、そんな事出来ないわ」
「おや? 理由はそれだけなのか?」

 ニヤリと微笑むビバルディ…これまでのお茶会のたびに聞き出されて告白してきたので彼女には隠せるわけもない。
 でもここで堂々と「好きな人と離れたくない」なんていう勇気がアリスにあるわけもなく。

「そ、そうよ!!」

 そう意地を張って言い切るしか出来ない。

「ふふ。その姿を見せればあの男もすぐにお前を好きになるよ…もしかしたら、もうすでに想われているかもしれない」
「そんな事有りえないわ」
「自信をお持ち、お前はとても可愛い子だよ」

 しゅんとするアリスの髪を優しく撫でるビバルディ。
 姉とは正反対の彼女なのに時折重なって見えるのは、こんな風に優しくアリスに接してくれるからだろうか?

「ねえビバルディ…私ここに越してくることは出来ないけど、遊びには来るから…それじゃあダメ?」
「構わないよ。わらわはお前といるのが好きだからね」
「私も好きよ、ビバルディ」

 絶世の美人、冷酷無比な女王様、姉のような存在。
 でも今の彼女は花の様に微笑む少女…本人に言ってしまえばきっと怒るから、これは誰にも言わない秘密。
 もしかしたら、アリスしか知らない表情…そう思うと本人にすら言いたくなかった。
 アリスの心の中だけに閉まっておきたかった。

コメントの投稿

secret

top↑

comment

プロフィール

水青 奏

Author:水青 奏
好きなもの
・SOPHIA
・SoundHorizon
・乙女ゲー
・文字書き

初めましての方はまず
『始めに』をご覧ください。

最新記事

カレンダー

03 | 2019/04 | 05
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -

月別アーカイブ

カテゴリ

最新コメント

twitter

FC2カウンター

リンク

ブログパーツ&バナー

検索フォーム

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。