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Kiss of the yearning



 グレイ×アリス
 幼馴染パロの続きです。
 診断メーカーの『キス22箇所』で出た『グレイがふざけて髪に思慕のキスをされるところ』を書きました。





 これはまだアリスとグレイがお隣同士だった頃の話。

 学校帰りのアリスはいつものように鞄を自分の部屋に置くと急いでお隣へ向かい、夕飯の時間までを過ごす。
 宿題が出されれば教えてもらいながら片付け、たまには本を読んでもらったり、一緒にTVを見たり。
 それがいつもの過ごし方、もう一年以上は繰り返していた。

 その日はアリスの方に宿題が無かった代わりに、グレイには課題が出されていたようで彼はずっと机に向かっている。
 最初は邪魔をしちゃ悪いから帰ろうと思ったアリスだけど、いつも通りにグレイがココアを淹れてくれたので結局は大人しくそれを飲み、アリス用に置いて貰っている本を読んで待つ事にした。

「ふう……」

 一時間ほど経った頃、グレイが小さく吐いた溜息はアリスの耳にも届いた。

「やっと終わったよ」

 窓辺の壁と向き合うように置かれた勉強机の前から、アリスの座るソファーのすぐ近くに移動しペタリと座り込む。そして両腕と両足を力いっぱいに伸ばした。

「おつかれさま、お兄ちゃん」
「ありがとうアリス。ごめんな……退屈だっただろう?」
「ううん。この本よんでたから、だいじょうぶだよ」

 ニコリと笑うアリスに頭を撫で、ソファーの椅子の部分に寄りかかる。ソファーの上に座るアリスとの段差のおかけで今だけはアリスの方がグレイも上に居る。
 普段ではあり得ないその身長差を面白いと感じたアリスは、ギュッとグレイに抱きついた。

「どうしたんだ?」
「なんでもなぁい!」

 そしてチュッとグレイの頬にキスをしようとしたが狙いが逸れ、アリスの口唇は彼の耳付近の髪に触れた。

「本当にどうした? アリス」
「む~なんでもない~」

 失敗したのがちょっと恥ずかしかったアリスはそれを誤魔化すようにますますグレイに抱きついた。
 
 それはまだ、アリスがグレイに好きだと伝える前の事。
 ただ純粋に兄妹の様に過ごしていたある日の出来事だった。


        ○●○●○●


 そしてそれから時間は流れて、当時のグレイの年齢にアリスが近づき二人の関係が恋人になってもう何ヶ月も経った。

「グレイ~」

 ドアベルを鳴らし暫く待って反応が無かったので、最近貰ったばかりの合鍵で玄関を開けアリスは彼の名前を呼びながら部屋の中を進む。
 玄関に彼がいつも履いている靴がある事は確認済みなので、グレイが家に居る事は確か。そして彼の上司で主であるナイトメアの靴は見当たらなかったのでまた居ないのだろう。

「グレイ?」

 でももしかしたら出掛けているかもしれない。昨日の夜の時点では「今日は一日空いているから遊びにおいで」と言ってくれたけど、当日になって用事が入った可能性だってある。

「……帰った方がいいかなぁ……」

 それでももう少しだけ、と入ったリビングに彼の姿あった。
 一番日当たりの良い所に置かれたソファーに座るグレイ。近づいて見ると彼は目を閉じて……眠っていた。

「寝てるの?」

 そう訊ねてみても彼は答えず、微かな寝息が聞こえるだけ。

「疲れてるのかな……」

 たしかに最近は忙しかったと昨日の電話で聞いている。その忙しさから抜け出せた最初の休みなんだからゆっくり休んで欲しいと伝えたアリスに

『君と過ごす事が俺にとって一番の癒しなんだ』

 と言ったのも彼。それに嬉しくなってアリスは今ここに居る。でもこんな姿を見るとやっぱりゆっくりと休んで欲しいと改めて思う。
 手に持ったままだったバッグの中からメモ帳とペンを取り出し、アリスはグレイ宛のメッセージを書き、それをテーブルの上に置いた。

「ゆっくり休んでね……グレイ」

 彼を起こさないように小声で囁きアリスは帰ろうと思ったが、玄関に向かおうとした足は方向を変えてグレイの寝室のある二階へ。そして彼の部屋からタオルケットを一枚持ってグレイの元へ戻る。
 たとえ夏場で昼間とはいえ、この部屋は冷房が利いていて涼しいから……ふわりとグレイの肩から膝あたりにそのタオルケットをかける。

「うん……」

 離れがたくてアリスはジッと彼の寝顔を見つめる。そしてちょっとだけ……悪戯心が芽生えた。
 ゆっくり、ゆっくりとアリスは顔を近づけ、目を瞑りその口唇でグレイの頬に触れようとした……が

「あれ?」

 気がつくとアリスの背中にソファーの感触。そして目の前にはグレイの姿。

「えっと……あれ?」

 状況が飲み込めないアリスはただグレイをジッと見ることしか出来ない。
 その間にもグレイはアリスに近づき、その頬に口唇を寄せる。

「おはようアリス」
「おは……よう。寝てたのはグレイの方よ?」
「ああそうだな」

 段々と冷静さを取り戻し始めたアリスは、彼が寝起きにしてははっきりとしているのに気づいた。

「もしかして起きてたの?」
「いや眠っていたよ……君が来てくれたのに出迎えられなくて済まない」
「じゃあどこから起きてたの?」

 その問いにグレイはすぐに答えず、今度は彼女の口唇にキスを落とす。
 チュッと聞こえたリップノイズに顔を真っ赤にするアリスを愛おしそうに見つめながら、その耳元で囁いた。

「秘密だよ」

 そしてその耳にかかる髪にもまたキスをした。
 懐かしさと愛しさを込めた口付けを、それはまるで幼い頃のお返しのように。

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Re: No title

 ナトリウム侍 様
またまたありがとうございます(*´∇`*)
そして今回も私には勿体無い言葉だらけで!本当にありがとうございます。
幼馴染パロは、もうとにかく乙女なアリスと甘々話が書けて楽しいので今後も増えると思います。

サンホラ曲でも書いてみたいなぁと思うんですけどね…総じて悲恋になりそうでwwでも雪白姫とか野ばら姫なアリスって可愛いだろうなぁなんて…言うだけはタダですよね。

今回もコメントありがとうございました!!

プロフィール

水青 奏

Author:水青 奏
好きなもの
・SOPHIA
・SoundHorizon
・乙女ゲー
・文字書き

初めましての方はまず
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