FC2ブログ
121234567891011121314151617181920212223242526272829303102

羽根なし小悪魔



 グレイ×アリス
 ダイヤの国のアリス フライングSS
 スパーク&ラヴコレで配布したペーパーにちょっと追加したものです
 なんとなく、ハロウィンネタです





「なんだ? その格好は……」
 
 それがいつもとは違う『彼女』の一面を見た男の第一声だった。

「なにって……黒のワンピースよ?」

 チューブトップに膝上ミニのワンピース。本当はこれに色々と付属品があるのだが、さすがにそれは恥ずかしくて着られなかった。

「ど、どうかしら?」
「……まぁ似合ってるんじゃないか? で、その付属品てなんだ?」
「……羽根とは耳とか尻尾とか、杖」
「なんだ? それは」

 詳しく言え、と語るその視線に負け、アリスは一部始終をグレイに話した。
 普段とは違う服を探していた事。
 入ったお店の店員イチオシのこの服を試着して、薦められるままに買った事。
 買う直前になって、ワンピース以外にも色々とおまけがある事を聞かされたのだ。

「元々は仮装用の洋服らしいの」

 もしもこの世界に季節があり、秋ならばハロウィン用と売り出されていたはずのものらしい。

「まぁ色々と聞きたい事はあるが……で、なんだってそんな服を買ったんだ?」
「……大人っぽく見えるように」
「前に言った事を気にしてんのか?」
「き、気にするわよ!!」

 子供とかガキとか、色々と言われた事は忘れない。
 目の前にいるグレイは、それまでのアリスが知る彼よりも若い。けれど年齢差があるのには変わらない。
 だからせめて見た目だけでも……と考えるのは当然だと思う。

「ふ~ん……そういう考え方がガキって気もするが」
「っ!……」

 自分でだって無理をしている感がある事くらい解っている。
 凹んでいるアリスの髪を一房手に取りツンと引っ張る。それにつられてグレイを見れば、彼はニヤリと笑っている。

「もうちょっとこっちに来い、アリス」

 言われるがままに、グレイの隣に座る。彼のベッドの上は何度座っても落ち着かない。

「化粧もしてるのか?」
「う、うん……」

 滅多に使うことの無い化粧品の入ったポーチを取り出し、出来るだけ大人っぽく見えるようなメイクもしてみた。

「たしかに、いつもよりはガキっぽくないな」
「そんなに何度も言わないでよ……」
「拗ねるな……まぁそんなガキにやられたんだから、仕方ないか」
「え? んんっ」

 ぼそりと呟かれた言葉を聞き返すより先に、その口はグレイの口唇に塞がれる。

(こ、これじゃあいつもと変わらないわ……)

 格好ばかり大人びてみても、中身は一緒じゃ意味が無い。
 何とか口唇を離し、アリスはグレイの首筋に顔を埋める。

「なっ!? おいっ!」

いつも彼がしているストールを少しずらし、カプリと噛み付いてみた。本当はキスマークを付けたかったが、やり方を知らないアリスには無理で、結果としてついたのは小さな歯型だけ。

「……グ、グレイ?」

 恐る恐る見上げると、グレイはアリスからうつった口紅で微かに赤くなったその口角を上げ、その赤を自らの舌で拭った。

「面白いことをしてくれるな? アリス」
「え、えっと……」

 まずいと思った時には遅く、気がつけばベッドに押し倒されていた。

「十分に、大人扱いしてやろうか?」

 怒っているような、でもどこか楽しそうなその問いに対する拒否権なんてアリスにあるはずもない。アリスに出来たのは、ただ彼の首にその細い腕を回す程度。
 クスクスという彼の笑い声と吐息を耳元で感じながら、アリスは小さく呟いた。

「大好きよ、グレイ」

 それに対する答えはさっきよりも深い口付けだった。


        ○●○●○●

~その後・Trick or Treat?~

「ところで、そのおまけってのはどんな物なんだ?」

 着替えを持ってきてない為、仕方なくまたワンピースを着込みベッドの端っこに座るアリス。
 そんな彼女を後ろから抱きしめていたグレイは、ふと先ほどのアリスの言葉を思い出した。

「さっきも言ったでしょう? 角とか羽根とか杖よ」
「それは此処には無いのか?」
「う……あ、あるけど……」
「じゃあ、見せろ」

 有無を言わさぬその一言にアリスは黙って従う。
 ごそごそとグレイには見えない位置で準備をするアリス、そして出てきた彼女の姿は

「ほう……」
「へ、変なのは解ってるわよ!」

 カチューシャタイプの悪魔の角を頭に付け、先が三角形の飾りの付いた杖を右手に、そして左手には本来ならば背中に付けるはずの黒い羽根を持っていた。

「その羽根はどうした?」
「付け方が解らないの!」

 その返答に思わず笑い出すグレイに益々顔を赤くするアリス。
 だけど、そんな笑いながらでも「おいで」と言われてしまえば従うしかない。

「尻尾もあるのか……これはどうやって付けてんだ?」
「ベルトになってるのよ」

 珍しいものを見るかのように尻尾や羽根を観察するグレイを見て、アリスの中に微かな悪戯心が芽生えた。

「ねえグレイ……Trick or Treat」
「……」

 アリスの元いた世界にあったハロウィンの風習。
 この季節の無いダイヤの国ではきっと無いから、グレイも知らないだろうと思っていった言葉だったが。

「あいにくと、菓子は持ってねぇな」
「グレイ、ハロウィン知ってるの?」
「まぁな。なんだ? 知らないと思って聞いたのか? つまりは俺に悪戯する気だったと」
「え……あ、あれ??」

 たしかに、知らないという事はお菓子なんて持ってないという事で、そうなると悪戯をするしかない。
 当然といえば当然の流れに混乱するアリスをよそに、グレイは彼女の腕を取り自分との距離を詰めさせる。

「じゃあ、悪戯して貰おうか? 小悪魔さん」
「~~~っ!!」
「ほら、どうした?」

 左手をグレイに掴まれているせいで逃げられないアリスは苦し紛れに、右手に持っていた杖でグレイの頬をつついた。

「なっ!?」

 驚き、きょとんとした表情を浮かべているグレイ。
 自分でも馬鹿馬鹿しい事をしたと解っている。
 穴があったら入って隠れて暫くの間引きこもっていたいレベルだ。
 そんな風に逃避する事を考えていたせいで、グレイの表情が変わった事には気付けなかった。

「え? ええっ!?」

 掴まれたままの腕を引かれ、バランスを崩したアリスは気が付けば、グレイに馬乗りになっている状態に。
 混乱するアリスに更に追い討ちをかけるようにグレイはアリスの後頭部に腕を伸ばし、自分に引き寄せた。

「ガキ……」

 反論するよりも先にグレイに口唇を塞がれ、その言葉は飲み込まれる。
 さっきまでの熱を戻すかのような口付けに瞳がトロンとするアリスをジッと見つめ、グレイは仕返しとばかりに囁いた。

「Trick or Treat? アリス」

 グレイ同様にお菓子なんて持っていないアリス。
 自分がした何倍もの悪戯をされるのは、当然の流れだろう。

「いや……これは菓子みたいなもんか?」

 耳元で囁かれたのは、ただそれだけで恥ずかしくて死んでしまいそうな言葉。
 パクパクと口を動かすだけのアリスを楽しそうに見下ろしながら、グレイはアリスに施された『ラッピング』を解いていった。

コメントの投稿

secret

top↑

comment

また来ちゃいました♪

こんばんは!
また読みに来ちゃいました\(^o^)/

何回読んでも良い話です(TUT)
『ダイアリ』凄く楽しみで、フライング出来ないかな~なんて考えると
ここに遊びに来ちゃうんですよ~(笑)

本当に良い話ばっかりです!
これからも応援してます☆またコメ書きます☆

Re: また来ちゃいました♪

 遥那 様
二度目まして、コメントありがとうございます<m(__)m>

ダイヤでグレイ攻略出来ますように~の願いというか念を込めましたww
早く暗殺者グレイ×アリスが見たいです。
もし無くても、妄想で書く気ですがww

今回もありがとうございました~。またお待ちしております

プロフィール

水青 奏

Author:水青 奏
好きなもの
・SOPHIA
・SoundHorizon
・乙女ゲー
・文字書き

初めましての方はまず
『始めに』をご覧ください。

最新記事

カレンダー

12 | 2019/01 | 02
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

月別アーカイブ

カテゴリ

最新コメント

twitter

FC2カウンター

リンク

ブログパーツ&バナー

検索フォーム