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姫と王子のHAPPYEND



 姫空木×みこと 
 華アワセ蛟編・エンド後設定
 原稿放って華アワセはまりました。
 そしてこの方にやられました。





 僕は王子様になりたかった。
 『誰かの』ではなく、『君』の王子様に。どんなものからも君を守り抜く存在に。
 鬼札が蛟を選んだあの時から、それは叶わないと解っていた。
 なのに、君を見ているとその願いは消えるどころか日に日に大きくなっていくんだ。
 初恋も知らない、穢れない君をこの手で守ってあげたいと……そう願ってしまうんだ。

 ミズチの血なのか、それともそれ以外が原因なのか、蛟が起こしたあの件を切欠とした理事長の命令で、君はパートナーにこの僕を選んだ。
 消去法だとすぐに解った。蛟を傷つけず、けれど花伐は成功させないといけない。それに対して僕という存在は打ってつけだった。
 それでも嬉しかったんだ。ほんの一時だけでも君の王子様になれるのなら。たとえそれが夢よりも一瞬の仮初でも構わないと……。

「そう思っていたんだよ、みことちゃん――」

 姫空木は何も語らぬ愛しい姫に、優しく微笑みかける。
 彼女はもう自分だけのお姫様、そして自らは彼女だけの王子様。
 この秘密基地という名の城で二人きり、永久なる時を過ごす。

「今日は少し肌寒いね……」

 彼女をふわりと毛布で包み、自分の膝の上に乗せる。

「少し行儀が悪いけど、このままで食事にしようか?」

 床に直接食器を並べ、一口ずつ彼女の口へと運んでいく。
 毎日繰り返されるその行為が、姫空木は好きだった。

「ふふふ。美味しい? みことちゃん」

 一度も彼女と食事に出掛けられなかったあの頃を取り戻しているようで、とても楽しい。
 ただ少しだけ残念だと思うのは、もう一つだけ姫空木には叶えたいものがあったから。

「ねえみことちゃん、いつか君の作ったご飯が食べたいな」

 口の端から零れるスープを指で拭いながら、姫空木は優しく彼女にお願いをする。

「いつかで良いんだ。約束だよ、みことちゃん」

 一瞬だけ触れる口付けを彼女に落とし、姫空木はまた食事を口に運ばせる。
 そんな日がいつか来るのだと、本当に信じて――

 姫である事をやめた者は、ただ一人を守る事を望み、欲し。王子になろうとした。
 だがそれが拒絶された時、何者にもなれなかった男は、それでも王子である事を囚われ……いったい何になったのか。
 姫を捕らえるそれは、王子のなれの果ては――

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水青 奏

Author:水青 奏
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・乙女ゲー
・文字書き

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